このところ日本列島は続発する地震に見舞われています。5月5日には石川県能登地方のマグニチュード(M)6・5の激震で、死傷者と家屋崩壊がありました。夜にも5強や体感した揺れが100を超えています。
関東南部でも11日未明、緊急地震速報に眠りを破られました。すでに気象庁は首都直下を含め日本列島のどこで、いつM6〜7級地震が起きてもおかしくないと警告しています。
地震学者は'30年代に東海から近畿、四国地方にかけて海溝型巨大地震発生の可能性を指摘しています。発生すれば巨大津波が海岸を襲うことは確実です。
私の郷里は静岡県の駿河湾に面した町ですが、東日本大震災を受け、津波襲来時に避難する建物が完成しました。一方、友人によれば海岸に近い通りからは人気が消え、空家や空地が急増しているというのです。いま地震や津波に加え、火山の噴火、台風や集中豪雨による洪水などの災害が相次いでいます。
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それを受け、政府、地方自治体、メディアなどからは災害時の心構えや普段の備えがくり返し発せられています。しかし人間、四六時中緊張していることは出来ず、すぐ忘れてしまいます。本誌も何遍か警告してきましたが、私も忘れていました。
それを証明したのが2月号の本欄で書いたマンションでの火事騒ぎのときです。非常口の鍵を開けるだけで一苦労でした。予行演習の必要性を痛感すると共に、得難い経験でした。
いま日本は災害だけでなく北朝鮮のミサイル発射の危機にも晒されています。先日、本土に落下するおそれを伝えたJアラートが空振りしました。すると立憲民主党の安住淳氏が「狼少年だ」と批判したのです。もしJアラートの警告前にミサイルで死傷者が出ていたら、政府を猛攻撃したでしょうに、したり顔の発言には呆れました。

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いま愛子さまのお相手を巡る報道が、本誌を含め過熱してきました。美智子上皇后の皇太子妃報道のとき、私は編集1年生でした。トップ屋のはしりだった梶山季之氏が、当時の『週刊明星』でスクープする寸前、小泉信三氏が「大事な時期だから」と発表中止を懇請したと聞き、写真集めに奔走したものです。
雅子皇后のときも、約20人の候補者の写真と経歴を用意し、周辺の取材を進めました。ある財界人は令嬢が候補と報じられた途端、次々に見合いを進めて結婚させてしまいました。「娘が皇室入りしたら銀座のクラブに気軽に行けない」といっていたそうです。
いま皇位継承問題も注目されていますが、熊沢天皇と会った日のことも忘れられません。池袋の飲み屋の2階で「南朝直系の俺のほうが正統だ。そんな俺の部屋の隣に昨夜も女が男を連れ込んで嬌声をあげていた。『宸襟を悩ませるな』と叫んでやった」と怒っていました。翌日、教えられた愛知県一宮市郊外の畑へ行くと、菊の紋章が入った墓が8基もコの字形に立っていました。
編集主幹 伊藤寿男
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