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経産省‐電力9社を2から3社へを策す
数土文夫前東電会長の再編案に黒幕が
火力などで業界再編の流れは動き出したが東電とのタッグには拒否反応が


■廣瀬社長の更迭で社内闘争が
 電力業界で突然、再編論が燃え上がっている。  6月末の株主総会で退任が決まっている東京電力の数土文夫会長がメディアのインタビューに、「日本に電力会社は2?3社、原発も2社程度に再編する。(廃炉などの)バックエンド事業もやっていけるのか。再編せずに国民や従業員にどんな展望を示せるのか」と答えたからだ。電力自由化で新規参入が広がるなか、逆行するかのような話だが、その底流には原子力の今後を見据えた、経済産業省と連携した思惑があるとみてよい。  数土氏はJFEスチールの社長、会長を務めた後、NHKの経営委員長だったが、政府、経済界の要請を受け'11年3月の福島第一原発事故後の'14年、東電会長に就任した。  プロパーの廣瀬直己社長は東電の伝統を担い、主流派と数土社長の間に立って調整を進め、安定調達と経営改革をなんとか両立させてきた。東電の営業利益が5千億円を超える水準まで回復、送配電会社と発電会社を分割し、ホールディング会社のもとで運営する構造改革も実現した。数土会長─廣瀬社長の体制は、軋轢を起こしながらも東電を復活に導いてきたのは間違いない。  そのなかで昨年春、数土氏は廣瀬社長の更迭で一気に改革を加速する戦略に打って出た。歴代社長を輩出してきた東電中枢の総務部と企画部の出身者を役員から外そうとする大胆な動きだった。数土氏の会長任期に先がみえ、できれば在任中に改革を固めたいという発想からだった。  だが、東電主流派は政治力を駆使し、廣瀬社長の更迭を阻止するとともに再び独自に、東電の将来像を描き始めた。そうした状況のもとで数土氏が採った反転攻勢策は、自らが退くことで廣瀬社長も退任させ、主流派を封じ込めることだった。  こうした両者の闘争のなかで、数土会長側に立って舞台を回してきたのが経産省だ。その目的は、かつては経産省を上回る実権を持ち、電力行政を事実上仕切ってきた東電への逆襲であり、さらに東電を通じた経産省主導の電力行政の実現にある。



■「グローバル再編」で揺さぶり
 数土氏は東電では発電所の現場改革から取締役会の運営にまで口を挟んできたという。その数土氏の参謀役として控えていたのが、経産官僚の嶋田隆執行役だった。  嶋田氏は政府による東電支援の実働部隊である原子力損害賠償・廃炉等支援機構に経産省から出向していた。さらに遡れば、経産省には20年も前に、電力会社を発電と送電事業に分離させようとした官僚がいた。村田成二元次官('02?'04年)だが、官房長になった'97年には電力の小売り部門の自由化も仕掛けた。  それが実現したのが昨年4月、200社を超える新規参入があった。「消費者が電気を選ぶ」ことは庶民にとっても日常的になりつつある。  東電全盛期には電力自由化を推進しようにも電力業界の強力な抵抗で、「ほぼ全敗」(経産省OB)といえる状況だった。その意味で経産省がリベンジを果たしたといえる。 「自由化による新規参入の拡大こそが消費者利益になるとともに、東電など電力業界の主流派の力を削ぐ」という経産省の戦略発想に従えば、地域にフランチャイズする東電、関西電力、中部電力など既存の電力会社は機能別分社に加え、配電部門もさらに分割するのがベターなはずだ。  しかし、なぜ今、経産省と数土東電会長は新たな電力再編で「メガ電力」を作ろうと仕掛けたのか──。  その答えは「グローバル競争」にある。'80年代末から新自由主義の考えに基づき、電力、都市ガス、鉄道、水道などの自由化、規制緩和を進めた英国、ドイツなどでは、参入自由化から数年を経て、新規参入者が破綻、撤退、吸収され、大手への集約が劇的に進んだ。  プレーヤーを増やし、消費者の選択肢を増やすという発想とは異なる結果となったが、経営が安定した大手による複数の選択肢は消費者にとっては悪くない。さらに電力、ガス会社が国境を越えた同業の買収に動き、グローバル再編が進んだ。  数土氏を送り込んでも大胆な業界再編に誘導できない経産官僚が、海外の事例を参考にしてもう一度電力業界に揺さぶりをかけようという腹だ。その数土氏に代わる最後の大物が、新会長となる日立製作所元社長の川村隆氏なのである。  しかし、東電はじめ電力会社は今、二律背反の命題に直面している。国内の電力需要はすでに減少に向かい、電力自由化による競争激化もあって地域フランチャイズビジネスとしての電力は成長が見込めない。  電力会社は国内の地域に根ざした最終ユーザーへの「ラストワンマイル」サービス、すなわち送配電網の維持や新規参入者のバックアップなど最終責任を負う海外事業のリスクを取り過ぎれば、地元への供給責任を果たせなくなる不安もある。「安定供給」の重みは全面自由化になっても、少しも変わらない。



■原発事業の統合には合理性も
 それだけに、経産省の「国内電力を2?3社にまとめ、規模を拡大すればグローバル市場で活躍できるようになる」という安易な発想には乗りにくい。東日本大震災で事実上国有化された東電を核にして、経産省に都合のいい業界再編を進めようとするホンネが透けて見えるからだ。  今後、電力業界再編が進むとすれば、モデルケースはJERAとなる。これは東電と中部電力が火力発電部門を分社化し、燃料調達から発電所の運営まで合体した企業だ。  他社でも火力発電部門の統合は可能であり、たとえば関電と中国電力、九州電力の3社が「西日本電力」のように統合してもおかしくない。JERAに北陸電力や東北電力が加わるシナリオもある。LNGや石炭など発電燃料の調達ではボリュームは優位性となるだけに現実性はある。  だが、再編の最大の眼目は各社がばらばらに持つ原子力の統合だ。事故対応や賠償の責任能力などを考えれば、地方の電力会社が原発を持つよりも、切り離して原発専業会社に集約するのは合理性が高い。  いずれにせよ、数土発言は電力業界再編がいよいよ底流で動き始めたことを示しており、今後の展開が注目される。  現在、どの社も国の管理下にある東電と組むことに拒否反応を示している。岩根茂樹関電社長は、経済誌で「共同事業体は考えていない。ニーズもない」と否定してみせた。東北電力でも「業務提携レベルならばできるが、事業統合ならば話し合う余地はない」と慎重だ。しかし、東電抜きならば6月2日に関西電力、中部電力、北陸電力が送配電事業で連携したように、いろいろな組み合わせが可能だ。  これでは経産省は電力再編の疫病神のようなものである。

(2017年7月号掲載)
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