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膵がん‐胆管膵管撮影で発見し治療へ
神澤輝実がん・感染症センター東京都立駒込病院 院長が説く
難治がんの代表だが超音波内視鏡や穿刺吸引法などで早期発見し治療を進める
ジャーナリスト 安 達 純 子 


■慢性膵炎の人はリスクが高い
 医学の進歩によって、がんで予後を改善する人が以前よりは増えたが、難治性といわれるがんは依然としてある。その代表格が「膵がん」だ。 国内の年間死亡数は約3万4千900人に対し年間罹患数の推計は4万人。死因第1位の肺がんの年間死亡数は7万7千500人だが、罹患数は12万7千800人。膵がんは肺がんと比べ発症する人は少ないが亡くなる人が多く、国内がん死因の第4位。全症例の5年生存率も約9%と非常に低い状態が続いているが、今世紀に入り診断技術と治療は格段に進歩した。 「膵臓は胃の裏側にあるので、健診の超音波検査では小さな異変は見つけにくいのですが、膵がんリスクのある人が定期的にMRI(磁気共鳴画像診断)による胆管膵管撮影(MRCP)検査を受けることで、早期発見は可能になっています」  こう話すのは、がん・感染症センター東京都立駒込病院の神澤輝実院長。長年、膵がんの診断・治療を行い世界5大医学雑誌の一つ『ランセット』の膵がん部門統括者も務める。  膵がんリスクが高いのは60歳以上で、ゝ泙坊貪値が高くなった、⊂嘆醜攸任離▲潺蕁璽蔀佑高い、E尿病、と酲、ニ性膵炎、ξ梢討覆匹枚垢んの人がいるなど。  膵臓は、糖質を分解するアミラーゼなどの消化酵素を含む膵液や、血糖値をコントロールするインスリンなどのホルモンを分泌する役割を持つ。膵がんによって膵液の通り道が塞がれると、食生活の乱れなどがないのに、血糖値が急上昇したり、健診のアミラーゼ値が高くなったりする。また、膵臓に負担をかける糖尿病や慢性膵炎、あるいは親族に膵がんの人がいる人は発症リスクが高い。  なかでも、慢性膵炎はそうでない人と比べて膵がん発症リスクは約13倍。ハイリスクな人は、膵がんの診断・治療の経験豊富な医師(日本膵臓学会指導医など)に診てもらい、定期的な検査を受けることが望ましい。 「膵がんも1駄にの大きさで見つかれば予後はいい。リスクの高い人は、ぜひ定期的な検査を受けていただきたいです」(神澤院長)  MRCPで小さな異変が見つかったからといって、必ずしも膵がんとは限らない。良性の膵のう胞性腫瘍(IPMN)もある。検査で見つかったときに悪性か否かの鑑別が重要となる。疑わしいときには、先端に超音波のついた超音波内視鏡を口から挿入し、胃壁や十二指腸壁の向こう側の膵臓の様子を調べる。腹部超音波検査と違って近いところから膵臓が見れるので、詳細に観察できる。  また腫瘤のようなものがあれば、胃壁などから膵臓に針を刺して細胞の一部を吸引する「超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS‐FNA)」を実施。病理検査でがん細胞の有無を調べる。



■膵がんと区別が難しい病気も
「IgG4関連疾患のひとつ自己免疫性膵炎も、膵がんと間違われやすい病気のひとつです。不必要な手術が行われるケースもありました。今は診療ガイドラインもでき、画像診断や細胞診、血液検査などを駆使することで判別はしやすくなっています」(神澤院長)  自己免疫性膵炎は、自己抗体が産生されて膵臓の細胞を攻撃する免疫疾患だ。つまり、がんとは全く異なる病気である。しかし20世紀には、自己免疫膵炎の研究も膵臓の細胞診の技術も進んでおらず、手術で膵臓を摘出した後の病理検査で初めて「がんではない」ことが判明した。  神澤院長は、抗体の一種であるIgG4が関連する特殊な病変が膵臓だけでなく、胆管、胆嚢、涙腺や唾液腺、肺や肝臓などの内臓にも起こることを突き止め、'03年、世界で初めて「IgG4が関連する全身性疾患」という病気の概念を明らかにした。'11年には診断基準が作成され、'15年に国の難病に指定された。 「膵がんの疑いのある検査では、圧倒的に膵がんと診断されるケースが多い。だからこそ、以前はIgG4関連疾患が見逃されてきたのです。IgG4関連疾患は、原因が不明で難病指定になっていますが、ステロイドによる治療で症状は改善します。手術は不要です」(神澤院長)  膵がんと別の病気の鑑別は、専門知識を持つ医師でないと難しい。大人の膵臓は、長さが約15センチ、幅約3センチ、厚さ約2センチで、笹かまぼこのような形をしている。内部の真ん中には、主膵管という管が通り、膵がんが主膵管近くにできて管を閉塞すると、腹痛やアミラーゼ値の上昇などが生じる。また、膵がんが総胆管近くにできて管を閉塞すると黄疸が起こる。  しかし、主膵管から離れ、しかも膵尾部という十二指腸から遠い部分に膵がんができると、無症状のまま進行し早期発見が特に難しい。先述のようにハイリスクの人は定期的な検査によって、微妙な変化を見逃さないことで早期発見へつなげたい。  一方、IgG4関連疾患の自己免疫性膵炎は、膵臓に炎症を引き起こすのが特徴である。膵臓全体に炎症が広がってソーセージ膵腫大になるのは典型的な症状で、腫瘤を形成する膵がんとの鑑別は行いやすい。ところが、限局して炎症が起こるような場合は、画像診断上は膵がんとの鑑別が難しくなる。 「IgG4関連疾患は、血液検査でIgG4値が高くなりますが、膵がんでも高くなることがあるのです。逆に、IgG4関連疾患で膵がんの腫瘍マーカー値が高くなる人もいます。血液検査、画像診断、細胞診といった検査を駆使して鑑別することが重要です」(神澤院長)



■早期診断から早期治療の時代
 自己免疫膵炎は、IgG4関連疾患の膵臓以外に、涙腺や唾液腺が腫れて腫瘤のような症状を伴うことが多い。いずれにしても、ステロイド治療で症状は改善するが、やめると30〜40%の人が再発してしまうため、長期間にわたっての慎重な治療が必要になる。 「海外ではIgG4関連疾患の治療薬として、分子標的薬のリツキシマブが使われており、将来日本での使用も期待されています。もちろん、膵がんの治療薬も十分ではありません。新たな膵がんの治療薬の開発と、早期発見のための診断技術の開発が、待ち望まれています」(神澤院長)  膵がんの治療薬は、'01年に薬事承認された「ゲムシタビン(商品名・ジェムザール)」など、今世紀に5種類の治療法が確立された。しかし、進行がんを封じ込めるほどの力はない。早期発見のスクリーニング検査のため、血液検査や尿検査、唾液検査などの開発は進んでいるが、実用化への道はまだ遠い。 「早期診断では血中のがん遺伝子を調べるリキッドバイオプシー検査の開発、薬物療法では『オプジーボ』などの免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬の開発に期待したいと思っています」と神澤院長。  新しい治療法の進展と診断技術のさらなる向上が、膵がんやIgG4関連疾患では求められている。

(2019年11月号掲載)
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