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ワクチン戦争‐国内開発→生産を急げく
塩野義、第一三共、アンジェスなど
EUから批判された英アストラゼネカから中国VS.インドの「ワクチン外交」まで


■65歳以上の接種が最も重要だ
 ようやく日本でも新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まった。とりあえず、米製薬大手ファイザー製でスタートしたが、他社製も含め今後、国内の16歳以上の日本人、外国人合わせて1億人以上が無料接種の対象となる。  早くも後ろ向きのメディアが、「重大な副反応がある」「ワクチンを打たない医療従事者もいる」などと、不安を煽るが、「集団免疫」効果を得るにはできるだけ多くの人の接種が求められている。日本の歴史始まって以来のワクチン接種を迅速かつ積極的に進めるべきである。たしかにインフルエンザワクチンでも、副反応を起こしやすい人はいる。恐怖を煽る情報に振り回されずに、安全性や有効性を確かめたうえで冷静に対応するべきだ。  ファイザー製では100万人当たり、5・0人、モデルナ製では2・8人、アナフィラキシーという重度の副反応が海外で報告されているが、ほとんどが既往歴があった例であり、死者を出すまでには至っていない。  感染症医療関係者が解説する。 「先行で医療関係者の接種が行われているが、最も重要なのは65歳以上の高齢者の接種だ。対象者は約3千600万人といわれるが、2回の接種を3か月以内で完了するように迅速な対応が求められている。集団接種は'94年の予防接種法改正以来、全国一斉では行われておらず、医師・看護師、自治体の混乱も必至だが、試行錯誤を繰り返しながらも、やるしかない。幸いにも英国や南アフリカなどで確認された変異株にもファイザー、モデルナともに対応できるとみられている」  ただ、世界的なワクチン戦争は、すでに始まっている。欧州連合(EU)は、製薬会社が新型コロナウイルスのワクチンを許可なく域外に輸出することについて、規制を強めている。EUに詳しい製薬会社関係者は「背景にはEUと英国アストラゼネカの対立がある。もちろん、同社は英国への供給を優先させたため、EUはこれに猛反発している。今後、ワクチンの分捕り合戦がEU加盟27か国で始まるだろう」と見る。  EUについては、米ファイザーと独ビオンテックのワクチンも供給が遅れているという。イタリアやポーランド、ルーマニアなども、ファイザー製のワクチン供給が遅れて、ワクチン接種の計画に支障をきたし始めている。このため、EUのフォンデアライエン欧州委員長は、製薬会社に対し法的措置を突き付けているというが、後の祭りだ。



■イスラエルは有事の危機管理と
 ワクチン接種については、情報の一元管理やオンライン予約による密集防止が求められるが、イスラエルの例は参考になる。人口あたりの接種数では世界1位を記録している。  イスラエルでは、ファイザー社のワクチン接種を昨年12月20日に開始。約1か月で人口約900万人のうち3分の1に当たる300万回以上を接種した。人口100人当たりの延べ接種回収は60回を超えている。イスラエル政府はコロナ感染拡大直後から国軍と情報機関モサドが動き、世界のワクチン開発の情報を収集した。その結果、ネタニヤフ首相自らがファイザー社トップと直接交渉し、ワクチンの早期提供の確約を得た。  イスラエルの危機管理能力を知る軍事関係者は「国民は健康保険加入が義務づけられ、保健省が国民の医療情報を一元管理している」としたうえで、こう解説する。 「これまで罹った病気や手術歴、処方薬やアレルギー反応など、すべてのデータがリストアップされている。今回は、ファイザー社に国民の医療データを提供することで、優先的にワクチンを供給してもらうことに成功した。その背後ではイスラエル軍関係者の懸命な努力があった」  イスラエルはもともと新型コロナウイルスを生物化学兵器として捉え、感染症対策は有事の危機管理だという意識が高い。日本でも国民皆保険制度が整備されているのだから、国民の医療情報のデータベース化は十分可能なはずだ。  中国は昨年12月、「中国医薬集団」(シノファーム)のワクチンを承認した。感染リスク判定アプリにワクチン接種情報をひも付けている。アジア各国では「ワクチン外交」を展開するが、品質はきわめて怪しい。特に日本の高齢者向けには、「1回5万円×2回=10万円」などといって、偽ワクチンも出回っているというから要注意だ。  これに対抗してインドも「ワクチン外交」を周辺国に展開中だ。モディ首相は「インドのワクチンが世界を救う」と、バングラデシュやモルディブ、ブータンなどに無償提供を始めている。インドにとってワクチン産業は得意分野であり、今後もワクチンの中印戦争は活発化する。  さらに、ロシアは昨年8月、世界に先駆けて国産ワクチン「スプートニク后廚魍発。しかし、その後、効果不明のため、国民からは不評だ。ロシアは、それをワクチン後進国へ売りつけようとしている。



■国産ワクチン開発も進んでいる
 こうなると、最大の疑問は「なぜ、日本ではワクチンができず、外国製品を特例承認したり、自宅療養といいながら治療薬も与えられずに死者が出ているのか。そこを解説するメディアがないのはおかしい」(『THEMIS』読者より)ということだ。  ここには厚労省が国内のワクチン開発を国家の危機管理と認識せず、欧米諸国との「ワクチンギャップ」をますます広げていることに原因がある。実は日本でもコロナワクチン開発は進んでいる。  塩野義製薬は昨年12月からウイルスの遺伝情報をもとにする「遺伝子組み換えたんぱく」といわれるワクチンを開発している。ファイザーやアストラゼネカがいままでヒトへのワクチン接種を行ってこなかったのに対し、「組み換えたんぱく」という伝統的な手法を用いることで、ー太咾あるので副反応の想定がしやすい、温度管理がしやすい(インフルエンザワクチンと同じで2℃〜8℃)などの利点がある。すでに国からの支援はあるが、もっと大々的な資金投入を考えるべきだろう。  ほかにも、第一三共の「m(メッセンジャー)RNAワクチン」、アンジェスの「DNAワクチン」、KMバイオロジクスの「不活化ワクチン」など、さまざまな種類でのワクチン開発が行われているのに、国の対策は完全に遅れている。首相肝煎りの爍韮 Toトラベル瓩鮑導させる前に、ぜひともワクチン産業の育成に目を向けるべきである。  京都大学の中西寛教授は「ウイルスは生物とも非生物ともいえない存在だが、変異しつつ再生を繰り返すことで環境に見事に適応しているのであり、それを(AIのような)知性と呼んでも差し支えない」といっていた。それほど手強い新型コロナウイルスには、やはりワクチンで対抗する以外ないのである。

(2021年3月号掲載)
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