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山根明 日本ボクシング連盟前会長 暴走を許した理事&マスコミ斬る
理事・審判・メディアは卑怯だ
山根氏が率いた連盟の異常と腐敗に沈黙を続けた幹部とマスコミは恥を知れ
ジャーナリスト 片 岡 亮


■「世渡りスキル」でのし上がったが
レスリング、アメフト、ボクシング、体操、重量挙げ、陸上……スポーツ界で相次ぐ不祥事を受け、スポーツ庁は、各競技団体への国の監督強化を検討するプロジェクトをスタートさせた。  次から次に起こる騒動では、CMスポンサーや芸能プロなどに忖度する必要がない取材対象として、ワイドショーが格好のターゲットにし、そこで同庁の鈴木大地長官も槍玉になっていた。各競技でトラブルが起きる度、「しっかりとやっていただきたい」と毒にも薬にもならない決まり文句に、筆者が出演したフジテレビの『バイキング』でも、MCの坂上忍が「単なる評論家」と失笑していたほどだ。  これが大岡裁きのような形で問題人物をバッサリ処分してくれたら、さぞ気持ちよかったのだろうが、現状の法制度で同庁にそんな権限はない。そこで新たなプロジェクトを始めたわけだが、実のところ、これは「スポーツへの政治介入」という危険も併せ持っている。  まるで“#MeToo”現象と化したスポーツ問題の中で、筆者が約6年前から追ってきたのが、日本ボクシング連盟の腐敗だ。  ワイドショーは「私は世界のカリスマ」などと恥知らずに自称する前会長の山根明氏の強烈なキャラクターを面白がって取り上げたが、そもそもアマチュアボクシングは、ファンから批判を受けやすいプロと違って、ヤクザ体質が長く野放しになってきた世界だった。山根体制の前も別のトップが日本大学を贔屓する不公平な采配が有名で、その周辺には対立者に平気で暴力を振るうような筋の悪い役員もいた。  山根氏については共同通信のベテラン記者が情報番組で「元プロボクサー」とデタラメを解説して誤解を広めていたが、それは事実ではない。プロ戦績を管轄する日本ボクシングコミッションに山根氏の記載はなく、山根氏本人が自称した「12〜13歳ぐらいにやっていた」という当時は、小中学生のボクシング競技は日本に存在していなかった。  奈良県の連盟から大阪、関西、全国と成り上がった山根氏が選手実績なくトップに上り詰めたのは、競技以外の政治手腕、はっきりいえば、韓国からの密航者から日本社会の裏街道を歩いてきた世渡りスキルによるところが大きい。経験者が幅を利かすスポーツ界では異色の組織役員であった。 「山根さんは選手にやたら精神論を説いていることが多かったし、必要以上に威張り散らしたのも、選手歴がないコンプレックスがあったんだと思う」と連盟関係者が語っていた。



■情けないのはマスコミの沈黙だ
 そのとおり、自分のメンツをつぶす者には容赦しなかった。ロンドン五輪の金メダリスト・村田諒太がプロに転向するや、山根氏は猛反発し引退勧告を決議した。これは山根氏が役員を務めたこともあるアマの世界団体AIBA(国際ボクシング連盟)がやっているプロ興行APBに、村田を出場させたい下心があったからである。  数十年ぶりに生まれた五輪スターが自分に背を向けたことで、山根氏は'13年、新たに「プロ側のスカウトには連盟の許可が必要」とし、プロ側に移籍金を求める報復ルールを作った。さらにアマ選手には外部からの報酬が発生した場合、連盟に30%を支払うことなども定め、これらを誓約しないとアマ公式大会に出場出来なくした。  当初は「小学生以上」にもこれを該当させていたから、その非常識さが窺える。これで全国の若いボクサーたちは、駅前にあるプロのジムでボクシングを始めても、五輪や国体などアマ大会出場を目指すには、プロ側と縁を切るかどうかを早い段階で決めなければならなくなっていた。プロ側も余計な波風は立てたくないから表立っての反論はしていなかったが、情けなかったのはボクシングマスコミである。  スポーツ紙も専門誌も、アマ連盟との付き合いから一切、これを批判しなかった。あるアマ専門の記者は、山根氏辞任騒動に際しても、テレビ番組からコメントを求められて「匿名なら」と実名を隠したときにだけ批判をしていたほどだ。  山根氏に持ち上がった助成金の不正流用や判定工作などの不祥事も、メディアではなく「日本ボクシングを再興する会」が必死に絞り出したものだった。公式グローブ販売を一社に独占させた疑惑は、そもそも「連盟の検定」が必要ないもので、グローブメーカーが製作・出荷の段階で品質保障をしており、連盟がそれを上回る検査などできるわけもなく、誰の目にも利権作りだったが、指摘したのは筆者の記事だけだった。  山根体制は過去、ブログで連盟批判をした関係者を、所属ジムや選手ごと追放処分にした恐怖政治があったので、関係者が尻込みしていた事情は分かる。しかし、メディアが同様に問題を黙認していたのは異常だ。今回の騒動では告発側が勝利したが、新執行部についても変わらずに監視の目は必要だろう。



■スポーツへの政治介入を許すな
 新会長に就いた告発側の内田貞信氏は、強要、恐喝で逮捕され'15年に高裁で懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けている。この妙な人選を探ると、関係者は「最高顧問を打診している橋本聖子議員にも問題ないといわれた」といっていた。これは連盟側が慌てて訂正していたが、新体制が政治家の手を借りようとしたのは、実のところ監視強化ではなく助成金など国からの支援を取り付けるために他ならない。  特にスポーツにおいては、'11年のスポーツ基本法で、スポーツを「国民の権利」とする一方で、「社会発展のための国家戦略」にも位置づける曖昧な解釈が定められた。これはスポーツの文化的価値を楽しむ国民の自由な権利を、国家権力が支配する兆候にも見える。  仮に、鈴木長官が競技団体の監視を強める姿勢を打ち出しても、その効力は疑問で、省庁の監督など実際には下っ端の係長クラスが担当し、見識も乏しい中で、山根氏のようなボス猿に勝てない図式が容易に想像できる。これを動かそうとしても「民法に抵触するなら法務省に、公益法人としての問題なら総務省に」など、ややこしい行政のたらい回しになるのが通例だ。  ただでさえジャーナリズムなき無法地帯なのに、問題解決を権力者たる政治家に委ねるのは危険な流れだ。採点の不正問題なら審判を別組織に所属させるなど、不正防止の方法はいくらでもある。  補助金頼みの競技団体は結局、政治家に頭を下げに行くしかなくなっている。本当にスポーツを愛する者がいるならば、この文化が国に奪われる懸念についても、真剣に向き合うべきなのである。

(2018年10月号掲載)
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