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■在日中国人100万人を扇動して
石原慎太郎都知事の身辺が危うくなってきた。尖閣問題で中国の反日機運が高まるなか、「極右の張本人」（中国紙）として毒手に晒される危険が高まっている。
「石原が中国の愛国者を犯罪者と痛罵」――。
尖閣に不法侵入した香港・マカオの工作員（「活動家」と公称）を野田政権が無条件で釈放した８月中旬、中国メディアは大々的に石原都知事の発言をこう報じた。野田内閣が香港人工作員を無条件で釈放したことについて、氏が「歴然とした刑事犯だ」と非難した発言を踏まえての非難であり、「中国人の憎悪を掻き立てる報道ぶりだった」と、北京駐在の日本人記者はいう。
「刀で日中関係を血で洗う政治家」「軍国主義の亡霊を追う極右政治家」――。
北京駐在の全国紙記者が語る。
「当局の規制で中国主要紙は掲載しなかったが、石原氏は別。反日デモ報道は抑え込んでも、石原非難は各紙やりたい放題。在日中国人に向け始末するよう呼びかけたも同然」
その真意は何か。
「共産党独裁下の中国でこれだけ個人攻撃を受けた政治家は、公然とした暗殺指令を受けたのも同然だ。中国では『愛国無罪』、共産党が暗に懸賞金をかけているようなものだ。日本には在日中国人が約100万人もおり、このうち誰かが煽られて刺しにいったとしても不思議ではない」と、台湾の公安機関関係者は心配する。
中国メディアは最近、日本の朝日新聞など「良識ある」左翼系メディアが石原氏を非難していると紹介、日本国内で「日中共通の敵」と指弾されていると報じた。
大手メディアは報じないが、広東省深1などで行われた反日デモでは、ついに「石原人形」まで登場した。参加者は人形をシュプレヒコールとともにむしり取り、大勢の参加者で足蹴にする場面が相次いだ。
「東京都を包囲せよ、という中国人デモを起こす作戦が進んでいる」と、公安機関の担当者は警戒する。
「国防総動員法」――。中国の主権、領土が侵害される危機時に、中国政府や共産党が島嶼防衛など国防のための工作に、内外の中国人を総動員できることを定めた法律だ。石原氏が蟠踞する東京都庁を尖閣防衛を叫ぶ在日中国人がデモで包囲し、朝日新聞など左派の親中派メディアに支援させて氏の影響力を削ぎ落とす「石原消滅」戦略だという。
■秋の有事に備えたシナリオが
東京都には中国人だけでも15万人以上が居住、「都下では100人に１人が中国人」といわれており、中国当局が本気で動員をかければ「反原発」を上回る規模のデモ騒動は容易だとの見方が強い。しかも足元の新宿・歌舞伎町は「不法中国人の巣窟」といわれ、氏の歌舞伎町浄化作戦に恨みを持つ中国人は多い。
氏は80歳と高齢だ。暗殺まで行かなくてもケガや傷害などで十分、政治生命を抹殺することはできる。
実は「石原氏が狙われた事件は複数あった」と公安機関の担当者は指摘する。警察庁を管理する国家公安委員長ポストが民主党の売国政治家に握られたこともあり、「防止したケース」は国家公安委員長に報告されることはなかった、という。交通事故に見せかけた高速道路下での衝突未遂に始まり、パーティ会場での毒物混入など手口はさまざまだ。
「報告すれば、中国や韓国に通じた売国政治家に防止の手口を教えることに繋がりかねず、対日工作員の学習効果を高める結果になるからだ」（前出、公安機関の担当者）という。
しかも現在の政権は、中国や韓国に迎合したといわれる民主党政権であり、著名な政治家のガードにも隙が生まれかねない「絶好の機会」だ。
なぜ、中国側はここまで石原氏を「目の敵」にするのか。それは氏が尖閣諸島の東京都購入宣言を打ち出したように、「民主党政権の口先だけの国防強化論者でなく、武力行使まで含め尖閣防衛の現実的なプログラムを準備できる数少ない政治家だからだ」（防衛省元幹部）という。
実は米中両国が肝を冷やすような尖閣防衛計画が石原氏周辺で「極秘に進んでいる」と、在日米軍の情報部門の将校は打ち明ける。
秋の尖閣有事に備え、驚くべき「緊急オペレーション」を検討しているという。米海兵隊元幹部（軍事コンサルタント）まで交えた極秘会合で「緊急シミュレーション」が練られており、中国軍が民間を装う武装漁船なども含めて緊急部隊で尖閣を侵略、日本の自衛隊が米海兵隊（水陸両用部隊を含む）と共に一気に奪還する計画だ。中国軍の正式な軍事発動でないため米海兵隊は表に出ずオスプレイなどを夜間に運用し、海兵隊は自衛隊服まで着こむシナリオすら検討されていたという。
この暴走に激怒したのはオバマ政権であり、解放軍による非難の高まりを恐れた中国の胡錦濤政権だ。
■米政府とは異なる米軍の動き
自衛隊に「海兵隊」がなく、本土から普通科連隊（佐世保付近）を兵員輸送するヘリが不足しているという尖閣防衛の致命的な「弱点」を、米海兵隊の機動力を駆使してカバーするという奇襲作戦だ。
10月にも中国の大量武装漁民（実際は軍事工作員）による尖閣占領の実力行使の恐れが高まっている。野田政権は「８月の尖閣上陸」のように流血の事態を恐れ、中国の軍事工作員の大量上陸を許すことになり、沖縄県警の警察力では対応できずに長期間黙認する事態にまで悪化させるとの危機感がある。
10月は米大統領選の投票１か月前、オバマ政権は選挙一色になり、日本も総選挙機運が高まれば「日米の政治空白」が生まれる。中国軍はその間隙を突き、日米の軍事的な対応が後手に回りかねない。
この「緊急オペレーション」はそうした事態を予測し、オバマ大統領の決断が遅れても実行可能な作戦であることが中国側の最大の脅威になる。「中国への刺激を恐れオバマが嫌がれば、日米軍事演習に示したような堂々の米軍介入を実施せずに『裏の軍事作戦』として実行できる」と元海兵隊幹部はいう。
海兵隊やＣＩＡは、これまでもホワイトハウスの動向とは別に中東やアジアで米軍が表に出ない「秘密作戦」を無数に展開している。「出兵を躊躇うオバマ大統領の裁可を待ち、戦機を逸するリスクを回避できる。海兵隊傘下の民間の軍事委託会社からも派兵し、夜間作戦でミッションを成功して自衛隊の手柄にすることができる」という目論見まである。
オバマ政権と裏で手を組もうとする中国側の野望を見事に挫く戦術ではないか。
最近、中国軍幹部や主要紙までも尖閣はおろか「沖縄（中国では琉球諸島）は中国の領土だ」と大々的にキャンペーンを始めたのも新中国成立後初めての動きであり、米軍の戦略的な太平洋からの撤退を見据えてのプロパガンダだという。
■中国軍の太平洋拡張に併せて
尖閣諸島を巡る対日圧力は、この米軍後退に歩調を合わせた戦略であり、「中国の狙いはオバマ政権に軍事的に手出しをさせずに、政治圧力で尖閣を我が手にすることだ」と、外務省幹部は中国の動きを予測する。「その最大の障害が米海兵隊まで巻き込もうとする石原になると中国は踏んでいる」というのだ。
日本では信じられないが、中国側はオバマ政権に軍事的に尖閣問題から手を引かせるための裏交渉を猛烈に展開している。
オバマ政権になって中国軍の太平洋への拡張に逆行するように、米軍の太平洋からの戦略的撤退は加速した。「太平洋に回帰する」という大統領の掛け声とは裏腹に、米軍は沖縄からテニアン、グアムへ兵員移動を進めており、それが「沖縄の戦力低下」（中国軍事紙）、「尖閣放棄がホンネ」（中国ネット）と映っているのだ。
米国の「真夏の中立宣言」ショックが、日本の外交、防衛関係者を襲った。
「米国は日中双方のどちらにも加担しない。平和的に解決されることを希望する」
香港人工作員が尖閣上陸を果たしたさる８月、米国務省スポークスマンは驚きの「中立宣言」を発表した。
「日米同盟を考えれば、こうした事態にこそ尖閣諸島は日米同盟の対象と宣言し、中国を牽制するのが同盟国の役割だ」と防衛省元幹部は憤る。
この「中立」宣言に中国外交部は狂喜した。米軍に尖閣問題から手を引かせることを目標に掲げ、あらゆる対米諜報活動を展開してきた成果が実りつつあるからだ。
在京の中国人記者はいい切る。
「尖閣上陸時に米政府が見せたこの態度は重い。『平和裏』を演出すれば米国は手を出さない。米国はこう確約したのです」
「オバマ政権側は中国の出方をみて、尖閣問題を対中交渉のカードとして使い始めたフシがある」
外務省の担当者も米中交渉の裏取引を認めざるを得ない。
オバマ政権も、政治力の強い米海兵隊まで日本側に抱き込もうとする石原氏周辺の対米工作を危険視し始めた。８月に入り大統領が激怒する事件があった。毎朝、国防及びＣＩＡの担当者は大統領に世界情勢の変化を報告するが、その際に『東京都が尖閣上陸を計画』との報告に重大な関心を寄せ、「苛立ちを隠せなかった」（ワシントン外交関係者）という。
実は、ＣＩＡなどが極秘に石原氏周辺をマークするのは、ニクソン政権以来培ってきた海兵隊など米軍中枢への特殊ルートの存在といわれる。
■関東軍の石原莞爾とだぶらせ
海兵隊は米軍の中でも陸海空三軍に並ぶ独自の機動力と情報網を持った特殊な軍隊であり、これまでも表に出ない特殊作戦で「戦争前の戦闘」を行い、米政府の危急を何度も救ってきた。その分、独自の判断が歴代政権と対立した局面もあった。
「海兵隊を巻き込む秘密オペレーションは許されない、というのがオバマ政権側のメッセージであり、中国側も米中協調体制への挑戦として石原暗殺に体制の命運を賭けるだろう」と自民党の元国防族議員はいう。
「非は石原にある」
ワシントンでは中国ロビーが尖閣中立を求めて共和・民主の両党議員にロビー活動を拡大、米軍が中立化するよう画策し始めた。
「石原こそがアジアの安全と平和を脅かすナショナリストだ」というのが、中国の対米宣撫工作の狙いだ。尖閣諸島を中国の武装漁民が「平和裏」に奪取すれば、米軍が介入する大義名分はなく、野田政権は流血を恐れる振りをして手をこまねく。事態が長期化すれば中国占領が固定化され、オバマ政権は面子を保ち尖閣防衛の義務から解放される。こんな取引が米中間で交渉されているのだ。
この米中の裏交渉に気づき、いち早く動いた石原都知事。米中の野合に楔を打ち込むのが、米中両国が密かに恐れる石原氏の米海兵隊を巻き込む対米工作だ。
「米中協力を破壊する元凶はﾔ新関東軍ﾕの石原だ」
北京の中国大手紙記者はこう断言した。満州国建国の立役者となった関東軍の石原莞爾参謀に石原知事をだぶらせ、「現代の新軍国主義者」として糾弾し、「軍国主義者には極刑が相当する」といい放つ。
「『石原作戦』を葬れ」――。米中の秘密工作員が東京を跋扈する。
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