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今こそ憲法に緊急事態条項を設けろ
新型コロナが突きつけた
憲法審査会は税金約24億円使って休眠中-自衛隊明記含め国民の生命を守るために


■「要請と指示」だけでは限界が
 今回の新型コロナ対応において、わが国が緊急事態宣言下でとった措置は、もっぱら「要請と指示」だった。それに対し、多くの外国では「緊急事態宣言」とともに、罰金を伴う強制措置が講じられた。  その背景には、憲法で「国家緊急事態対処条項」(以下、緊急事態条項)を設定しているか否かの違いがある。憲法に緊急事態条項を設けていない日本は、私権の制約にきわめて慎重にならざるを得ず、休業や外出の自粛要請をするにとどまった。しかし、自粛要請を無視した闇営業やそこに群がる多くの人たちがクラスターの発生源になった。何の強制力もない「要請と指示」だけでは限界のあることが露呈した。  ここに一つのデータがある。日本リサーチセンターとギャラップ・インターナショナル・アソシエーションが今年3月9〜22日に30か国を対象にし、「ウイルス拡散防止に役立つなら、自分の人権をある程度犠牲にしてもかまわない」という意見に「そう思う」と答えた人の割合を示したものである(読売新聞'20年4月25日付)。  それによると、オーストリアが一番多くて95%、ついでイタリア93%、フランス84%、イギリス72%、ドイツ71%などが続き、29番目がアメリカ45%。肝心の日本は最下位の32%となっている。30か国の平均が75%で、わが国は半分以下の数値でしかない。  これは戦後民主主義教育、戦後の主流憲法論の欠陥が顕著に反映されていることの現れである。上記にあげた欧米諸国は、自由・人権・民主主義を大切にする国々である。これらの諸国で、日本よりはるかに多くの国民が、パンデミック状態にある新型コロナの拡散防止に役立つのなら、自分の人権をある程度犠牲にしてもかまわないと答えているのだ。  個人の人権・尊厳は、最大限に尊重されなければならない。と同時に国民共同体(=国民協同体)としての役割も考えなければならない。  ここに日本国憲法に欠けている緊急事態条項の存在理由がある。私権を一時的に制約されても、公共秩序の維持・回復に資す、これが緊急事態条項のキーポイントである。



■世界の憲法は緊急事態に対処
 西修駒澤大学名誉教授は「世界の189か国の現行憲法を調査した結果、184か国の憲法に緊急事態条項が導入されていた」と語る。また'90年以降に新しく制定された104の憲法中、緊急事態条項を欠いている憲法は皆無だ。一方、平和条項は189の憲法のうち、161の憲法に採択されている。  さらに国防条項は20数か国を除きすべての国の憲法に盛りこまれている。平和・国防・緊急事態条項の3点セットを導入することが「世界の憲法常識」なのである。しかし、日本国憲法はこの「世界の憲法常識」を満たしていない。  世界の憲法は、平和を守るために国防条項をおき、万が一平和を破壊されたときに備え、平和回復のための緊急事態条項を設定している。平和条項のみがあれば、平和を維持できると考えられている日本の憲法思考と大違いだ。日本国憲法は現実の国際情勢の厳しさを考慮に入れず、「平和を愛する諸国民の公正と信義」を信頼するという前提になっている。  緊急事態条項について自民党の憲法改正草案(たたき台素案)は次のような内容である。 「‖臙録未修梁召琉枉錣つ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない」(第73条の2) 「‖臙録未修梁召琉枉錣つ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の3分の2以上の多数で、その任期の特例を定めることができる」(第64条の2)  この草案の特色は、緊急事態発動の要件を‖臙録未修梁召琉枉錣つ大規模な災害に限定していること、∨[Г鮴定する時間的余裕がないときは、内閣が政令を制定できること、この政令につき、速やかに国会の承認を求めなければならないこと、ぢ腟模な災害により、衆議院または参議院のいずれかの選挙が実施できないときは、各議院の出席議員の3分の2以上の多数で特例を定めることができるとしている点だ。  この規定方式は、緊急事態条項を「大規模災害」に限定している点で、各国憲法と異なる。つまり、新型コロナのような事態に対応できないのだ。西教授は「各国憲法の規定方式に準じ、要件に『外国からの武力攻撃、大規模テロ、重大なサイバー攻撃、世界的な経済恐慌、深刻な感染症』も加えるべきだ」と語る。



■わずか1回だけの憲法審討議
 この緊急事態条項は、自衛隊明記とともに、できる限り早く憲法審査会で討議すべきだ。ところが6月17日に閉じた第201回国会では、衆議院においてわずか1回のみ自由討議が行われただけである。参議院では一度も審議されなかった。憲法改正手続きに関する国民投票法改正案は、'18年7月5日の第196回国会で衆議院憲法審査会に付託されてから、6国会にわたり審査がなされていない。怠慢以外の何ものでもない。  自民党は今国会で、改憲の国民投票法改正案を早期に成立させた上で、緊急事態時の対応を議論する方針だった。憲法には議員の任期や衆参両院の本会議を開くための定足数の規定があるため、国会議員に感染が広がった場合、国会機能が停止する可能性があるからだ。しかし、野党は拒否し続けている。  '11年に両院の審査会が活動してから'19年までに使われた経費は、総計で約23億6千600万円にのぼる。何の結果も出せず、まったく無駄な費消だったと断言できる。  このような結果を招いた責任は、まともに審議に応じなかった立憲民主党、共産党などの野党に帰するが、真剣かつ気概をもって審議をリードしてこなかった与党にも大きな責任がある。業を煮やした日本維新の会は、林芳正参議院憲法審査会長の不信任動議を提出した。  提出者の松沢成文参院議員は「実質的な審議を行わないのは、国民の付託を裏切ることになり、サボタージュは絶対に許されない。『コロナ禍』だからこそ、緊急事態に対応するため、憲法にかかわる問題を議論すべきだ」と述べた。  まさに正論である。憲法審査会での議論を期待している多くの国民の声を代弁している。日本も真剣に憲法改正に向き合い、国家のあり方を見直すときだ。

(2020年7月号掲載)
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