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習近平の中国製EVで世界制覇を潰せ
トランプは燃費規制緩和発動し
中国は米欧の技術を盗んだEVで覇権目指すが米国は新貿易戦争で対抗へ


■アメ車ビッグスリーの復活期す
 巨額の貿易赤字を削減したいトランプ米大統領が、各国に対して独善的な通商政策を本格化させている。  なかでも米中貿易摩擦は深刻だ。中国は豚肉やワインなどの米国産品に対して対抗関税を発動。それに対抗して米国は知的財産権の侵害を理由に通商法301条に基づいて、鉄鋼・アルミ以外の中国製品に制裁関税をかけることを検討中だ。  その最中、トランプ政権が中国主導の電気自動車(EV)戦略潰しに動き出した。まず国内のガソリン車の燃費規制を大幅に緩和し、GMなどビッグスリーの「アメ車」信仰の復活を目指す。環境規制強化で中国と競ったオバマ政権当時の方針を転換し、中国主導のEV車戦略潰しを図ったのだ。  中国のガソリン車規制への対応は新たな米中貿易摩擦の課題である。今後の対中貿易交渉で中国の「非現実的な環境規制」をやり玉に挙げる可能性も出てきた。燃費規制の大幅緩和はその第一歩であり、中国の新エネルギー規制で自動車市場の制覇を目論む習政権の戦略を挫く狙いだ。  米環境保護局のスコット・プルイット長官は5月、「オバマ政権の燃費規制は明らかに間違いで、これを覆すよう尽力したい」とビッグスリーに宣言した。  この宣言が米環境保護団体やマスコミから「世界の環境保護に逆行する」と一斉に批判を浴び、燃費規制の見直しは風前の灯ともみられていた。反トランプの流れが強い米マスコミでは長官の出張などで不正があると報じられ、辞任観測の報道も流れる始末だ。しかし、トランプは辞任報道に対し「長官に戦いを続けてほしい」と激励し、規制緩和の方針が確定的となった。  オバマ政権は、米国内で販売する新車の平均燃費を'25年までに、ガソリン1リットルあたり約23キロまで引き上げるという先進国最高の環境基準を定めた。これにビッグスリーが「厳しすぎる」と激しく反発、導入に反対していた。  EVの普及を見据え燃費規制を強化している欧州や中国などの動きとは反対の動きだ。もし規制が導入されれば、燃費の悪い大型車に依存してきたGMなどビッグスリーには不利になる。米自動車業界のロビイスト側の「米国市場はビッグスリーの車が販売できずに中国や欧州のEV車だらけになる」との主張が政策に反映された形だ。実は中国側はすでに'20年に向け対米輸出用にEV車の大量生産・輸出に動き出していた。



■中国の資金とドイツの技術が
 今年1月、ラスベガス自動車ショーでは、ビッグスリーの危機感を煽る事件があった。中国の政府系ベンチャー企業、FMC(フューチャー・モビリティ)が意欲的なEVモデル車を登場させたのだ。  EV車の「BYTON」で、高い燃費と環境技術を売り物に最先端のハイテク装備で車内を一新させたハイテクカーだった。自動運転での走行中の会話に加えて、次世代通信システム5Gネットワークを使い、乗車中でもチャットや動画などを楽しめるという。問題はその技術がどこから来たのかだ。実は、中国政府支援の下、豊富な開発資金を武器にEV車のトップグループ、米テスラや独BMWの開発技術担当者を引き抜いて実現したコンセプトカーだったのだ。しかも'19年に国内販売を始め、'20年には米国向けに輸出を始める計画といわれる。 「習近平の唱えるEV車優遇は中国の世界支配の始まりだ」  対中強硬派で知られるピーター・ナヴァロ大統領補佐官も、政権内の対中貿易交渉でEV車戦略をこう批判した。世界最大の中国市場でガソリン車を禁止しEV車を義務付けることで、習が世界の自動車メーカーを「中国市場に土下座させようとしている」と警告、中国製品に高関税を課すだけでなく、こうした厳しい環境規制を貿易障害として撤去を要求するよう進言したという。  中国の巨額資金とドイツなど海外メーカーの環境技術が結びついて、米国攻略車が誕生し、カリフォルニア州を軸足に環境規制の厳しい米国市場になだれ込んでくる。こうした悪夢のシナリオが、まことしやかに米国で囁かれ始めたのだ。  シナリオは実際、動き出している。今年5月下旬、ドイツのメルケル首相はBMWなどドイツ企業20社のトップを連れて深?市を訪問した。深?でドイツ商工会が立ち上げた「深?イノベーションセンター」の開業式に出席し、EVなどドイツと中国企業の協力拡大をアピールした。  深?は公共バスの全車EV化に取り組む中国の「EV生産」のメッカだ。同市には中国最大のEVメーカー、比亜迪(BYD)が本拠地を構え、ベンチャーハイテク企業が集中するハイテク未来都市の様相を呈している。メルケル首相は中国のEV関連のハイテクメーカーを次々に訪問、環境規制をクリアできる未来のクルマ造りに向け中独連携の機運を盛り上げたのだった。



■習近平の不公正な戦略阻止へ
 習近平の野心は中国にGMやトヨタに匹敵する乗用車メーカーを作り、世界のEV市場を制覇することだ。EV車であれば部品数も少なく、駆動システムは内燃機関と比べれば複雑でないため、中国メーカーでも追いつけるとみている。  習は米欧のEV技術を詐取するため、'19年に「NEV規制」を実施、中国に参入する外国メーカーに一定比率のEV車などの製造販売を義務づけた。年間販売台数2千880万台('17年)におよぶ世界最大の中国市場に参入するには、優秀なEV車技術を中国に提供しなければならない。 「中国市場を世界で最も燃費規制が厳しい市場に変更すれば、中国市場を狙う欧州メーカーは最高のEV技術を中国側に差し出すことになる」と経産省担当者は狙いを語る。習は産業中期戦略「中国製造2025」で、EV車産業をスマート化や低炭素化に推し進められる第三次産業革命のシンボルとして位置づけ、国家産業競争力の核心的利益として育てていく方針だ。  これに対しトランプ政権は米通商代表部(USTR)が「高関税は始まりで、中国製造業に対し新たな対抗策を検討する」と語る。米国は6月、中国に対し関税制裁を発表した際に略奪的な産業政策を非難し、制裁品目にEV車の中核部品となるリチウム電池や電動モーターの部品などを加えた。  しかしトランプの高関税は米中貿易摩擦解消の小手先の対策に過ぎない。問題は不公正な貿易を生む中国の産業政策を変えることにある。官民一体で先進国の知的財産権を侵害(技術を詐取)し、政府の巨額補助金で外国メーカーを叩き潰す不公正な戦略を中国に放棄させることにある。EV車を巡る駆け引きは環境規制策にまで踏み込み、米中貿易戦争の新たな戦場になりつつある。

(2018年7月号掲載)
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