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情報銀行続出‐個人情報丸裸の危険あり
新ビジネスへ大企業が駆け込む
米GAFAによる情報独占に対抗するIT振興策だが無自覚のまま利用される懸念も


■マイナンバーとの連携も検討へ
 最近、急に「情報銀行」がマスコミで取り上げられることが多くなった。これはどうやら大きな収益を生む新ビジネスらしい。その証拠に、富士通や日立製作所、電通、三菱UFJ信託銀行など、名だたる大企業がこぞって参入を表明している。  情報銀行とは、個人から預託された連絡先や購買履歴、健康情報、家計収支、携帯電話の位置情報といった情報を一元管理し、本人の同意を得たうえで他の企業に提供する事業者を指す。情報銀行は利用企業から手数料を得て、マーケティングや商品開発の後押しをする。そして個人は情報の預託・提供の見返りに、情報銀行と各利用企業からキャッシュバックやサービスが受けられる。  この動きは、'16年5月に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言 改定」に端を発する。そして、経済産業省は'17年度下期の補正予算で「産業データ共有促進事業」に18億円、総務省は'18年度の予算で「情報信託機能活用促進事業」に3億3千万円の補助金を投入している。  10月19日に総務省と日本IT団体連盟が開催した「情報銀行認定」に関する説明会には、電機や金融など200社が参加した。同連盟は12月から申請受付を始め、'19年3月にも認定第1号を出す計画だ。  既に実証実験を行った参入企業はいくつもある。その先駆けは富士通で、'17年8〜10月に社員500人を対象にスマートフォン経由で生活や趣味に関する個人情報を集め、情報提供を受けたイオンフィナンシャルサービスはマーケティングに活かした。  日立製作所は今年9月、社員200人の家庭での電力使用量などをセンサーで検知する実証実験を開始。データを得た日本郵便は在宅率を分析し、再配達を減らすことを目指す。  電通グループのプロモーション業務を担う電通テックは9月、新会社「マイデータ・インテリジェンス」を設立した。11月からSNS(会員制交流サイト)を使った企業の販促活動向けのサービスを開始。'19年4月には企業と個人のやりとりを仲介するためのスマートフォンのアプリを提供する予定だ。  三菱UFJ信託銀行は、センサー内蔵の靴を履いた人の歩幅や歩数、着地角度、歩き方の特徴などの歩行データを計測。スポーツジムや旅行会社、保険会社などへのデータ提供を見込んでいる。  情報銀行はマイナンバーとの連携も検討されており、将来的にはヘルスケアなどでの活用に期待がかかる。  IT企業・エヌティーアイの中村宇利社長は語る。 「例えば道端で人が倒れて救急搬送される際、電子カルテで既往歴がわかるようになれば、救急隊員が的確に動くことができる。病院に到着後、過去の検査情報があればわざわざ薬に対するアレルギー反応を調べてから処理するようなこともなくなる」



■米大統領選に影響を及ぼした
 情報銀行をめぐる動きが活発化する背景には、米IT大手のGAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)が、検索エンジンやEC(電子商取引)サイト、SNSなどを通じて、個人情報を独占している現状がある。  経済評論家の加谷珪一氏が語る。 「GAFAはたんに個人情報を集めるだけでなく、AI(人工知能)でまったく無関係に思える情報から相関関係を割り出し、個人の嗜好を探っている。すなわち、本人が情報を渡している意識がなくても、嗜好がバレてしまうということだ」  フェイスブックからの8千700万人分の個人情報流出が問題視され、4月に創業者のマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)が米連邦議会の公聴会に召喚された。選挙コンサルティング会社の英ケンブリッジ・アナリティカが、フェイスブックから取得した個人情報を不正利用し、'16年の米大統領選でトランプ勝利につなげたためだ。同社は有権者に政治的メッセージを送り、投票行動に影響を与えたという。内部告発によると「どんな情報に騙されやすく、どんな情報に影響されるかを分析した上で、効果的な情報を流した」という。AIを使えば、ネット上でトランプのコメントに「Like(いいね!)」を返した人でなくても、トランプ支持層になり得るとわかってしまう。  情報銀行でもそうした情報流用の懸念は拭えない。自分の個人情報をどこに預けどういったところに提供されるか選択はできても、どう使われるかまでは把握しきれないからだ。  電通の情報銀行参入の最大の狙いは、個人の嗜好に合わせたターゲティング広告に活かすことだろうが、政治プロモーションも請け負っている。日本でも個人情報を元にした選挙活動が展開されないとも限らない。  情報銀行が乱立すればあらゆるところに個人情報が置かれることになるが、セキュリティ対策にも不安がある。前出の中村氏は、「『自分には隠さなければならない情報はない』と嘯く人がいるが、そんなことはあり得ない。個人情報が流出すればフェイクニュースの応酬に利用されかねないし、犯罪に巻き込まれる危険もある」と警鐘を鳴らす。



■経産省などは情報保護を謳うが
 日本はGAFAの後手を踏んで情報銀行構想が浮上したが、欧州はGAFAの締め出しにかかっている。  欧州連合(EU)は5月に「一般データ保護規則(GDPR)」を施行した。この施策の肝は「データポータビリティ権」である。これにより、個人が自身の個人情報を保有する事業者から、その個人情報を一般的に用いられるデータフォーマットで受け取るとともに、別の事業者に移転させる権利を持つ。そして違反した事業者には、「2千万ユーロ(約26億円)または世界売上高の4%のいずれか大きい方」という巨額の制裁金を科す。これは、個人情報を独占してきたGAFA潰しともいえる犇権発動瓩砲曚ならない。  利用者がEU圏内の欧州人ならGDPRが適用されるが、政治力のない日本にはそんな強引な真似はできないから、情報銀行の制度が実現しても外資には適用されず、GAFAは野放し状態のままになる。  購買情報や決済情報を握るアマゾンやグーグルが日本で銀行業に参入すると囁かれているが、許認可制で守られてきた既存の銀行もこれからは熾烈な競争に晒される。  経産省や総務省は個人情報保護を「錦の御旗」にしながらも本音はIT企業振興にあり、個人情報を集めることにお墨付きを与える意図が見え隠れする。前出の加谷氏は「バブル崩壊後の経済停滞が続くなかキャッシュバックキャンペーンの集客力は凄まじいが、キャッチフレーズに惹かれて半ば騙されるネット社会の狆霾鷦綣圻瓩犠牲になる」と語る。  情報銀行の活用でメリットがあることはたしかだが、見返りに目がくらんで安易に情報提供に同意して、預かり知らぬところで利用されないよう、細心の注意を払う必要がある。

(2018年11月号掲載)
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