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裁判員制度‐死刑を覆すならもう止めろ
最高裁改革をカモフラージュ
職業裁判官の作った前例?判例が重視され市民感覚は無視されるばかりだが


■被害者遺族の気持ちを無視へ
 裁判員制度が開始されて8年が経過し、根幹が揺らいでいる。被害者遺族からは「制度の意味がどこにあるのかッ!」と憤りの声が上がる。  裁判員裁判ではこれまで30件の死刑判決がいい渡された。ところがそのうち5件は控訴審で覆り、無期懲役に減刑されている。3月9日には「心斎橋通り魔殺人事件」、翌10日には「神戸女児殺害事件」の判決で、大阪高裁が立て続けに一審の死刑判決を破棄した。両事件は上告審で審理されるが、ほかの3件はすでに最高裁で無期懲役が確定した。  両事件の概要はこうだ。  心斎橋通り魔殺人事件‐住所不定・無職の被告男性が大阪の繁華街で、通りがかりの音楽プロデューサーの男性と飲食店経営の女性を刺殺した。被告には前科があるが、出所後の生活苦を犯行動機に挙げ、「死ぬしかない。人を殺せば死刑になると思った」と供述している。  神戸女児殺害事件‐男性被告は路上で小学1年の女児に声をかけ自宅に誘い入れると、ロープで首を絞め、包丁で突き刺すなどして殺害。遺体をバラバラにして雑木林などに投棄した。犯行動機は「殺して女の子の体を触りたかった」からだという。  そもそも裁判員制度導入の目的は、「市民感覚を取り入れる」ことだったはずである。市民から選ばれた6人の裁判員が、3人の裁判官とともに評議した結果、地裁で死刑が宣告された。それなのに、3人の裁判官だけで評議される高裁で、無期懲役に減刑されたのである。現行の無期懲役では、人を殺した人間が仮釈放となり、のうのうと社会復帰する可能性がある。被害者遺族は公判の証人尋問で証言台に立ち、「裁判員に私たちの気持ちが伝わった」と一審判決が出たときは思ったはずだ。だがその思いは踏みにじられた。



■絶対視する最高裁に従うだけ
 なぜ裁判員裁判の判決が控訴審でかくもたやすく破棄されてしまうのか。そこには、「前例・判例」を重視する狷本司法界の掟瓩ある。  元裁判官の井上薫弁護士が語る。 「日本の裁判官は最高裁を絶対視している。いわば最高裁が犇義牒瓩如△修凌者である裁判官にとって最高裁の作った判例集は爛丱ぅ屮覘瓩澄6義弔里いΔ海箸傍震笋鮖つことも、バイブルから逸脱することも許されない」  日本の刑事裁判で死刑を宣告する際、「永山基準」が主な判断基準となる。これは'68年に起きた4人連続射殺事件の永山則夫元死刑囚に対して、'83年に最高裁が傍論(判決のなかで述べられた付随的な意見)で示したものである。具体的には、“蛤瓩寮質、犯行の動機、H塙埖嵳諭兵郊浩や残虐性など)、し覯未僚殿臉(殺害された被害者の数)、グ簑欧糧鏗牡蕎陝↓社会的影響、被告の年齢、前科、犯行後の情状──を考慮し、やむを得ない場合に死刑が適用される。  これまでに裁判員裁判で死刑が宣告されながらも控訴審で覆ったケースでは、この永山基準などに照らし合わせ、被害者が1人ないし2人、計画性がない、精神障害の影響が否定できない、といったことが減刑の理由となった。しかし永山基準やその他の判例は職業裁判官だけで作ったものである。量刑を決めるにあたってそれに従うのなら「市民感覚」が入り込む余地はない。  裁判員裁判の審理開始前に、裁判官・検察官・弁護士の法曹三者が事件の争点や証拠を整理し、審理計画を明確にする「公判前整理手続」が行われる。裁判員が加わる審理は概ね5日前後である。  裁判員の招集に応じた82歳の男性が、その経験を語る。 「私は大学が法学部出身でありながら法曹関係の仕事に就いたことがなく、この機会に裁判に携われるならと応じた。最後には、審理中に裁判員は着られない法服を身に纏って、裁判長と一緒に記念写真を撮った。ただ問題は裁判資料を家に持ち帰って精査したかったのに、それが許されないことだ。仕方ないので休憩中に必死になって読み込んだ」  この男性は得がたい体験をしたようだが、何かおかしい。  評議で裁判官によるあからさまな誘導はないにしても、裁判官が何か示唆すれば、裁判員が影響を受けることは間違いない。この点が裁判員制度は裁判官の加わらない陪審員制度と決定的に異なる。 「弁護士も検察官も自分たちに有利な印象を裁判員に持ってもらおうとして、くだけたいい方をする。被害者の遺体写真を見たくない裁判員がいることに配慮して、裁判長がイラストで代用することを指示するケースも多くなってきた。例えば飛び散った豆腐のような脳みその写真など誰も見たくはないが、それを見ないことには残虐さを加味した適正な判断は望めない」(前出、井上氏)



■裁判員辞退は増える一方だが
 最高裁判所を頂点とする司法界のヒエラルキーのなかで、下級裁判所の裁判官は上ばかりを見る「ヒラメ裁判官」になっている。地裁での裁判員裁判で、裁判官は最高裁の意に沿う判決へと誘導する。それに失敗しても、裁判員の加わらない高裁で一審判決を覆すことができる仕組みになっている。そうした欠陥は制度開始前から囁かれていたことだが、なぜ導入に至ったのか。  裁判員制度は、米国から年次改革要望書で司法制度改革を迫られたため導入されたとも、竹崎博允前最高裁長官が推進役になったともいわれるが、いったい誰が主導したのかはっきりしない。 「行政改革や財政改革が進められ、司法改革にも手をつけざるを得ない空気になり、裁判員制度の導入と司法試験合格者の増員が図られた。しかし改革すべき猖楷櫚瓩郎嚢盧枷十蠅如△修海北椶鮓けさせないための陽動作戦だ。最高裁は裁判権を持つだけでなく、司法行政を牛耳り、立法の役割も担っている。司法の分野に限っては最高裁が三権を握っている」(前出、井上弁護士)  司法行政に関しては、裁判官の人事や昇給などを裁判所が自前で決めており、裁判所の最上級機関はいうまでもなく最高裁である。それが「ヒラメ裁判官」を増殖させる要因にもなっている。立法に関しては、最高裁が規則制定権を持っている。規則制定権は、弁護士や裁判所の内部規律、訴訟に関する手続きなどの規則を制定する権限である。また、裁判機関には担当する事件の裁判を行う権限はあっても、本来、他の裁判に影響を及ぼす基準を作り出す権限はない。基準を作るとすれば法律を制定するしかないが、実際は最高裁が判例で基準を作ろうとしている。  裁判員候補者の辞退率は年々上昇し、昨年は64・7%、今年(4月末まで)は66・2%に達した。存在意義のない裁判員制度を再検討すると共に、最高裁のあり方と改革を早急に進めるべきである。

(2017年7月号掲載)
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