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商工中金腐敗の元凶・経産省の悪巧み
民営化は姑息だ 即廃止すべし
内部職員による委員会の調査報告で事件を揉み消し社内処分の内容は非公表に


■不正融資に向き合わない職員
 '16年11月に発覚した商工中金の不正融資事件は、'17年10月25日、第三者委員会の調査報告書で全容が解明された。マスコミは一斉に批判的報道を展開した。  商工中金不正融資の総額は2千646億円。危機対応融資という公的色彩の強い融資でこれだけの不正が報告されるのは前代未聞だ。その原資はわれわれの税金である。  商工中金は'14年12月にも東京・池袋支店で同様の事件を起こしていた。担当者が110にのぼる取引先の口座で、売上高や純利益の数字を悪く見えるように改竄していたのだ。そのとき内部調査の際にどう答えてしのぐかのテキストを作成していた。今回も同じ手法が使われ、まんまと逃げ切ろうとしている。  調査報告書は'17年4月25日付と10月25日付のものの二つが存在する。4月25日の報告書は3人の弁護士を委員とする「危機管理業務に係る第三者委員会」で、調査(補助弁護士チーム42人)は、役職員を対象とするアンケートやヒアリングを中心に、危機管理融資を実行した22万945口座のうち約12・6佑謀たる口座について行われた。この時点で不正行為816件、不正行為者99人、支店数は35支店に及んだ。  これを受けて、調査の全国展開を目指したものが、10月25日の報告書だ。社長直轄の危機対応業務等改革委員会が新たに未調査の案件に関して別の「第三者委員会」に調査を依頼した形になっている。しかし、それはあくまで形式的なことで、行われていたことは最初の報告書の方針に沿って、私文書偽造でも、不祥事でもない不正融資事件であることを証拠立てるための理論武装だった。  4月25日の調査報告書では、本件不正融資の調査は'16年11月22日の報道前後から監査部の特別調査が行われていたようだ。同年12月12日の危機対応業務にかかわる第三者委員会の設置以前に、事件の概要は商工中金側が掴んでいた可能性が高い。  そんななか12月下旬、監査部を中心とした特別調査で不正融資の状況を把握した本社は、コンプライアンス統括室長を中心に「対応策」を検討し始めている。12月25日には安達健祐社長を中心に検討が行われた。試算表など経理業務の改竄は「悪意がある場合以外は、内部規定違反」との見解を共有することにして、以降、社の顧問弁護士を含め対応を協議し始めた。  へ理屈の根拠は商工中金法施行規則90条4項である。商工中金が監督官庁に届け出る義務条項だ。90条4項1号には「業務において詐欺、横領、背任その他の犯罪的行為を行った場合」、同5号には「その他業務の健全かつ適切な運営に支障をきたす行為又はその恐れのある行為であり、前項各号に掲げる行為に準ずるもの」とある。  このとき、幹部たちは1号の犯罪行為でもなく、5号の「適切な運営に支障をきたす行為」にも該当させないものとして、本件をどう報告するかの悪知恵を働かし始めたのだ。



■詭弁と誘導尋問が展開されて
 全国で4千609口座に及ぶ改竄が私文書偽造に当たらず、「他人名義の文書を名義人の承諾なく作成することにより成立する」と解釈。さらに「私文書偽造は故意犯である」とし、「名義人の承諾なく作成したと認識していることが必要」と限定的な解釈を展開していく。そのうえで、顧客名義の試算表を「『商工中金作成(名義)資料』であるため、故意がない」とした。試算表の自作についても「顧客の承諾を得ていたと思っている場合」や「顧客の承認を得られると思っている場合」は故意がないため、私文書偽造は成立しないと勝手に解釈した。  私文書偽造罪にはたしかに多くの解釈が存在する。そこから都合のいい解釈を集めて繋ぎ合わせているだけだ。  改竄については、数字の書き換えや日付、金額の改竄ばかりではなく、印鑑の切り貼りや手書き数字の修正など、誰がどう考えても弁解のしようのない犯罪行為である事例が多数報告されている。  さらに、'17年1月6日の社内調査で本件の風向きは明らかになったが、幹部たちは巧妙なフォローを実施していく。監査部調査に基づき明らかになった本件行為該当者に向けたヒアリングという名目の、関係者の意思統一である。  ヒアリングは調査によって明らかになった不正の状況を分析し、事件化させないため、そして試算表の改竄を社内規定違反にすり替えるための巧妙な誘導尋問が展開され、行為者の意思統一が図られることになったのだ。さらに1月9日から13日にかけては、幹部による顧客へのヒアリングも行われている。これも先の同様の趣旨からだった。  こうして目出度く「改竄の故意なし」、「顧客の承認」が理論武装されることになった。そのうえで、1月16日に顧問弁護士から、1号、5号ともに該当しない旨の意見書が提出され、一同深く安堵するのである。その後2月に中小企業庁に事件の経緯を報告し、了承されることになったのである。



■廃止止むなしの変わらぬ体質
 商工中金法施行規則90条5項には、商工中金およびその関連会社の取引先に不祥事があった場合の報告義務を「30日」としている。この件も不祥事とならなかったためクリアしたことになる。マスコミが本格的に追及しないのをいいことに、やりたい放題だった。  予定では9月末とされていた報告書だが、大幅に遅れて10月25日になった。遅れた理由の報告もなく、50ページに満たない報告書が公開された。4月の報告書が要約付きの160ページだったのに対して、いかにも少ない。  不思議なことはまだある。内部社員の処分内容だ。813人もの処分者とは、企業としての活動も懸念される。さらに気になるのは調査結果により処分された社員たちの状況だ。  本誌では商工中金に対して813人の処分の内訳もしくはその軽重、具体的内容について取材した。これに対して商工中金の回答は「個別職員の特定につながるのでお答えできません」というものだった。本当に処分したのかという疑問さえ湧いてくる。  商工中金の危機対応融資は、'08年のリーマン・ショックを契機に創設された。ほかにも緊急保証制度は'11年3月末、'13年3月末に実施され、それで役割を果たしたとして終了した。不正融資は、その後である。  残された途は、国を騙して融資をしてきた詐欺罪も考えられ、そのためには経産省・中小企業庁が告訴するのが筋だが、被害者(国)の協力が得られないと、検査当局は動くことができない。  世耕弘成経産相は「解体的出直しが必要だ」というが、その結果がこのありさまだ。  商工中金は完全民営化論もあるが、廃止も止むを得ない状況に追い込まれている。

(2018年1月号掲載)
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